タイトル「2021年度 教育学部シラバス」、フォルダ「2021年度 教育学部シラバス-情報教育授業運営部会
シラバスの詳細は以下となります。
ナンバリングは科目コードとは異なります。ご注意ください。
ナンバリングとは
科目コード   60007300 
科目名   コンピュータ・アート  
担当教員   岩越 敦彦  
対象学年   2年   クラス   51  
講義室   遠隔   開講学期   春学期  
曜日・時限   木1   単位区分   選必  
授業形態   演習   単位数  
受講対象  総合学芸領域:分野C共通 
備考  CA:(C)領域 
ナンバリング   112902 
ねらいと目標 ご質問ありましたら講師 iwakoshi@u-gakugei.ac.jp までぞうぞ。

🏫何を学べるか(学問的主題、分野等)
➡小学校での「プログラミング教育」開始が2020年度から開始され、学校現場では、当初相当な混乱が予想されます。教育者を志す者としては、1日も早くプログラミングに接しておきたいところです。教育者側も生徒側も、適性の個人差が相当あるのがプログラミングの世界ですので。面白いことにプログラマーは理科系とは限らず、文科系出身者にも優秀な人材が居たりと、独特の世界なのです。

🏫本授業ではプログラミングを作品制作の技術として扱い、基礎的なプログラミングの流儀やセンスを身に付けるだけでなく、アート入門デザイン入門でもあります。芸術とは何か?美しさとは何か? 迫力とは何か?見事さとは何か?などを考え、それらに使われている造形のアルゴリズムを、プログラミングで表現していくものです。これにより将来、児童生徒に、ゲームやアプリではなく、アートとしてのプログラミングを教えることにもつながるでしょう。
🎨例えば「印象」もプログラミングできます。たとえば、アートが「ドラマチック」だったり「癒し系」だったり、デザインが「カワイイ系」だったり「クール」だったり、その印象を作っている造形ルールを、プログラミングを通じて色や形に変換していきます。また、相性の良い色の組み合わせなども、割と単純な計算で表現することが出来ます。
🎨具体的には、たとえば「雪が降っている景色」をアートで表現したいとしたら、絵でもプログラミングでも、「対象の次元をひとつ下げて考える」ことがポイントです。単に「雪がしんしんと降っている」と考えても何も出てきません。 そうではなく「水の結晶のクラスターが、気温が低いために密度が高くなった空気の、強い抵抗を受けることで左右にブレながら、音もなくゆっくりと無数に落下している」印象としては「とても静かで穏やかだが…寒い」などという具合です。
🎨このよう考えてはじめて、プログラミングでどのように表現したら良いかがハッキリとしてきます。「上から下に落ちるからY座標を変化させればタテに動くんだな」とか「寒いんだから、色は寒色…だからRGBのR(赤)を減らそう」など。いかがでしょうか?
 
内容 📚何を習得できるか(学習成果)
プログラミング言語の使い方を習得し、次にそれを使った造形表現のルールを覚え、それをプログラムに記述できる能力を習得します。
ここで作るものは、アナタに代わって液晶画面にアートを描き出すアプリなので、描画にはマウスさえ使いません。つまり絵心や手先の器用さなど無くても構わないのです。表現するのはアナタではなく、アナタが作ったアプリだからです。
🔊高度な数学は必ずしも必要ではありません。「どこどこの座標からどこどこの座標へ何色の線を描け」というようなXY二次元のグラフ(欲を言えば二次関数まで)を書ける程度の数学は使います。
🔊グラフィックばかりでなく、サウンドや画像を使うことも出来ます。自分で撮影したり、素材の画像を使ってそれを表示、切替、動かすことも出来ますし、自動的にBGMを流したり、タイミングよく音を鳴らすことも出来ます。

🔎学習成果や他の授業の学習と合わせ、何ができるようなるか? この授業は共通科目なので初級レベルです。文科系の学生の受講も多く、さほど難しくありません。そして受講したあと、各種のプログラミング授業に進むときに、この授業経験が役立つでしょう。
🔎プロセシング(Processing)という言語を使います。プロセシングではオブジェクト指向も使えますが、作品この学校の学生の進路から考えて、むしろオブジェクト指向を使わずに表現できる能力が問われます。オブジェクト指向が得意な方も、ここではぜひオブジェクト指向を使わない表現を目指してください。
🔎プログラミングと同時に「美の法則」の一部を習得できます。その法則は、たとえ今後プログラミングをしなかったとしても、自分が普段作るデザインやアートの構造やテイスト作りに貢献します。手作業の質の向上にも役立つのです。・・・身にまとうファションさえ洗練されるかも知れません(未確認)
🔎そのほか将来、自分ではデザインをしない人にも、たとえば誰かに何かのデザインをお願いする立場になったとしても、この授業で覚えた、例えば「見事さの法則」を使って、デザイナーや絵描きに指示し、より良いものを作ってもらうことに役立ちます。
🔎いずれにしても、特にプログラミングの世界に限らず、何にでも使えますので、今後のみなさんの進路においての色々な応用が期待できます。
 
テキスト 💰テキストの購入は不要
💰ダウンロードするプログラミング環境も無料です。
🔊毎回、授業専用WEBサイト http://www.artj.net/com/ (4月上旬オープン)の特定のページを示し、その内容を参考にしつつ、テキストもここからダウンロード配布しつつ、学習を進めて行く。サンプルのテキストやプログラミングソースはコピペできます。
🔊ほかにも購入の必要な物品は無くペーパーレスです。
 
参考文献 📚プロセシング入門 http://www.d-improvement.jp/learning/processing/
📚ただし本授業は、上記サイトのような単なるプロセシング講座ではありません。本授業はコンピュータアート講座なので、美の秩序や、印象を作り出す規則性など、通常のプログラミング講座では扱わない部分が授業の3分の2を占めます。・・・この部分が本授業独特の部分です。
📚数年分の過去の学生作品の匿名ブログがあります。
📚作品のスクショと、プログラミングソースと、講師評が、200名分くらいあります。それらは授業の中で紹介しますし、学生作品は受講者がアクセスし、ソースや作品の発想を参考にできます。
 
成績評価方法 📝授業の前半の最後に「何をどう表現した作品を作るか」をプランニングします。そのプランの優劣も関係します。
📝最終的には1枚の静止画を作成するアプリか、1本のアニメーションを描画するアプリを完成させ、それをメールに添付して提出し、評価と講評文をメールで受け取り受けます。ソースコードの長さは個人差ありますが、30行から300行ほどです。(長ければ良いわけではなく、同じ表現でもプログラミングの上手い人ほど短く表現できる傾向にあります)
📝過去において、作品を講師がどう講評したか?は、匿名作品集ブログに作品と講評内容を紹介しています。例年、ひとりあたり平均200文字程度の講評文となっています。ブログに掲載されるのは「ブログに掲載しても良い」と申し出たヒトに限ります。講評を希望しても、しなくても、成績に変化はありませんので、ご安心ください。

📝点数 = プランニング+プログラミング作品×出席率
📝プランニングシートに基づいて作られたプログラミング作品そのものの優劣。これらに出席率をかけあわせて100点満点で100から60点がABCD。60点以下がFなどという具合。
📝ただし、これは共通科目であるため、レベル的にさほど難しくありません。・・・ほとんどの学生が割りと良い成績を残しています。
🚫中にはごく一部、ほとんど盗作といった作品が稀にあり、その場合は学校にカンニング報告。評価は最低レベルです。盗作はスグにわかります。それはプログラム熟練者にしかわかりません。
📝参考にしたソースがある場合はそれも添えて提出してください。
 
授業スケジュール(展開計画) ⏲授業スケジュール
(以下、前後や変更、延長や短縮する可能性がありますが、
 公式HP上やWEBクラス上で逐次発表します)
1◆教科書のダウンロードや、パソコンの動作テスト
授業解説 過去の作品・過去の講評内容の紹介
プログラミング開始までの準備
参考資料:オリジナルテキスト
2◆プログラミングの基本知識
 コントロール・・・変数、繰り返し、条件式などの基本
 パソコンに考えさせる第一歩…乱数、偏差
 ユーザーに参加させる方法…マウス反応
 参考資料:オリジナルテキスト
3◆図形描画、色彩効果 自動配色
 色と印象…色彩心理学
 液晶構造の観察方法…ミクロとマクロ
 配色させる方法…自動配色、調和配色
 参考資料:オリジナルテキスト
4◆アニメーション効果 自動作曲
 動画を自由に制御させる方法…インタラクティブアニメーション
 自動でメロディーを創らせる方法…自動作曲
 参考資料:オリジナルテキスト
5◆アニメーションにおける場面展開
 シーンを自由に切り替える方法…ストーリー展開
 参考資料:オリジナルテキスト
6◆マイクロ美学的手法
 造形に味わいを加える方法
 文章を書かせる方法…文字描画
 参考資料:オリジナルテキスト
7◆アートやデザインに使える心理効果 1
 図形の描画状態と心理効果
 参考資料:オリジナルテキスト
8◆アートやデザインに使える心理効果 2
 図形の描画状態と心理効果
 参考資料:オリジナルテキスト
9◆描画要素と、その配置・レイアウト
 色々な図形の自動生成
 構図の自動生成、
 図形の自動レイアウト
 参考資料:オリジナルテキスト
10◆オリジナル関数
 図形を定義して配置する方法
 アニメーションを関数定義する方法
11◆作品の計画
 プランニングの方法解説
 過去学生のプランニング用紙をいくつか匿名でご紹介
 資料:プランニングシート
12◆プランニングシート提出
 作品制作と、講師のコンサルティング
13◆作品制作と、講師のコンサルティング
14◆作品制作と、講師のコンサルティング
15◆作品制作と、講師のコンサルティング
(できない部分は講師がサポート わからない点をメールで送ってください 必要に応じて添削して送り返します)
 
授業時間外における学習方法 💻パソコンをネットにつなぎ、http://artj.net/com/ の授業専用サイトを参照しつつ、自分でプログラミングできます。欠席しても、ここを参照すれば、いつでもどこでも前回の授業で何を行ったかが把握できます。
💻チャットや掲示板は授業時間中しか見ませんが、早く答えが欲しい場合や、公開したくない質問などはメールでください。メールでお答えします。
 
授業のキーワード コンピュータ コンピューター アート CG 芸術 情報芸術 絵画 音楽 作曲 造形 色彩 色彩学 デッサン メディアデザイン デザイン グラフィックデザイン イラスト コンピューター・アート コンピュータ・アート コンピュータアート 情報工学 情報芸術 計算機芸術 人工知能 感性工学 プログラミング教育 プログラミング言語 アプリ processing プロセシング プロセッシング プログラミン scratch スクラッチ プログラミング アルゴリズム パソコン コンピュータグラフィック CG アニメーション モーショングラフィック メディア教育 ICT IT
ICT IT Computer computer art CG artistic information art painting music composing model coloring color science drawing drawing graphic design illustration computer art computer art artificial art information engineering information art computer art artificial intelligence kansei engineering programming education programming language application processing processing processing programmer scratch scratch programming algorithm Computer computer graphic CG animation motion graphics
 
受講補足(履修制限等) ✋美術科目でもなく理科系の科目でもない「共通科目」なので、内容の難易度は高くありません。
✋ネットにつながったパソコンは必携です。プログラミング環境としては、MacよりWindowsのほうが適応性が高いです。Macにおいて、稀に日本語環境への親和性が劣る事例を確認したことがあります。
✋これは2年生以上が対象の授業です。1年生は履修はできませんが、3年生4年生は受講できます。
✋66.6%以上の出席と、作品提出があれば単位は落ちません。
 
学生へのメッセージ ❣教育者のスキルとして有意義
👤以前はエンジニア限定の世界であった、いわゆる「プログラミング環境」ですが、いよいよ小学生も体験する時代となりました。学習環境開発の突破口は今から10年前、MITメディア研究所で開発された「スクラッチ」という開発環境です。
👤「スクラッチ」は小学校のパソコンクラブでもプログラミング環境として使われてきましたし、街の学習スクールで幼稚園のころから続けている者もいますので、すでにスクラッチに得意感を持つ児童もいます。
👤その上を行かねばならない教育者として、言わば「スクラッチ」の兄貴分である「プロセシング(Processing)」のプログラミングを知っておくのは、大変有意義です。
👤「プロセシング(Processing)」は、「スクラッチ」と同じくMITメディア研究所で開発された、より高度な環境でなのです。

❣美的センスのない人こそ!
👤コンピュータアートはプログラミングによって絵を描きます。従来のマウス絵のように「指先の器用さ」で操作するのとは正反対です。したがって造形感覚のない(たとえば絵の下手な)学生であっても、まったく問題ありません。というのも【上のほうにも書きましたが】既存の「美しい」とされている秩序を、プログラミング上で再現することで、コンピュータが自動的に描いてくれるからです。美的センスのない人こそ、コンピュータに描いてもらう意義を感じるでしょう。

❣その他、本授業を小中学校教育への応用する場合のメリットは?
👤たとえば、ゲーム作りを授業とするには、まず児童生徒がゲームに興味がないといけません。さらに彼らが現在好きなゲームと、彼らが作れるゲームとのレベルのギャップに悩み、学習意欲を阻害する可能性があります。
👤「コンピュータアート」は、ゲーム作りにも実用アプリ作りにも興味が無い児童生徒のための、第三のチョイスとして位置づけることができます。ゲームでも実用アプリでもなく「アート」だからこその自由な世界です。深くも浅くも取り組めます。
👤面白いグラフィックが出来上がったら、画像ファイルに自動的に変換保存。Tシャツにプリントして楽しむことも出来ます。Tシャツは何でも描けるキャンバスですからね。
 
実務経験のある教員による科目 国産コンピューターメーカー ソード株式会社 総合企画室 正社員勤務 予算管理 制作管理、プランニング、デザイン制作 コピーライティング ネーミング プログラミング マニュアル執筆 プログラミング教育 絵画教育 
授業実施方法(対面形式/遠隔形式) 💻以下の5つを使って行います。
 授業専用ホームページでのテキストの配布や授業計画の掲示
 WEBクラス上の”掲示板”での質疑応答
 WEBクラス上の”チャット”での会話
 WEBクラス上の”出席確認システム”
 学芸大メールでの情報交換や作品提出

ZOOMなどのリアルタイム映像は使いません。 
その他 📝【昨年度の振り返り】この授業は、昨年の2020年度、遠隔で行いましたが「授業専用ホームページ」の毎週更新によるテキストの配布と「東京学芸大学のWebクラス」のシステムを利用した「掲示板」と「チャット」のみで(ZOOMのようなリアルタイム映像は使わず)、コロナ禍以前と全く同じ時間帯に授業が行え、コロナ禍以前と全く同じ内容で終えることができました。
📝そして、さらに良いことがありました。コロナ禍以前ですと、毎年大型の310教室でも定員オーバーとなり、その都度抽選を行ってきましたが、昨年は遠隔方式であったため、講師の判断で抽選をせず、希望者全員を受け入れました。
📝その結果、2020年度の受講者は180名にものぼりましたが、遠隔の中、皆さんの努力もあって、平常時と褪色ないレベルの作品を提出していただけ、作品評価の平均点も例年通りでした。(180名もの点数をつけるのは大変でしたが嬉しい悲鳴でした)

📝講師プロフィール
✍肩書 メディアデザイナー兼ライター 美術教育者
✍学位:教育学修士(美術)
✍学歴:
 国立大学法人東京学芸大学 大学院 修了
 学校法人多摩美術大学 卒業

🏅受賞歴:
 2020 DELL本気創作コンクール 特別賞(2名での共同受賞)(デジタル画像デザインの傘)
 2010 ユニクロUTカンヌライオンズグランプリ ファイナリスト(デジタル手法による服飾デザイン)
日経新聞 ニコグラフCGグランプリ The3rd Prize(CGプログラミング)
朝日新聞 マイコングラフィックフォーラムCGコンテスト2位(CGプログラミング)
渋谷パルコ フェイク展 入選(油彩画)
海運局 絵画展 金賞・海運局長賞 (水彩画)

✍職歴 新卒でソード(東芝パソコンシステムズ)宣伝部正社員となったのち、メディアデザイナー兼ライターとして独立し、現在フリーランスで活動。ホームページ ロゴマーク カタログ マニュアル 電子雑誌の企画デザイン執筆に従事。

👤講師歴:
2000年から2006年まで多摩美術大学講師
2001年~東京学芸大学講師 (現在)
2001年~慈慶学園 I T講師 デザイン講師
2020年~武蔵野市福祉公社・絵画講座講師 (現在)
2021年~立川市福祉公社・絵画講座講師 (現在)
 
Copyright(C) 2013 NTT DATA KYUSHU Co.,Ltd All rights reserved.