タイトル「2021年度 教育学部シラバス」、フォルダ「2021年度 教育学部シラバス-美術科
シラバスの詳細は以下となります。
ナンバリングは科目コードとは異なります。ご注意ください。
ナンバリングとは
科目コード   60102710 
科目名   中等美術科教育法Ⅰ  
担当教員   水野谷 憲郎  
対象学年   2年   クラス   51  
講義室   遠隔   開講学期   春学期  
曜日・時限   月4   単位区分   必修  
授業形態   講義   単位数  
受講対象  中等教育教員養成課程美術専攻中学校各教科指導法 
備考   
ナンバリング   122351 
ねらいと目標 中等美術科教育法は中学校と⾼等学校を対象とするのだがこの両者はそのシステム及び現場の様相は⼤きく異なる。そ
こでこの講座では両者の指導法の根底にある美術教育の理念を追究していくことをその⽬的に置く。中学校においても
⾼等学校においても美術を教えるのか、美術で⼈を教育するのか、さらには美術そのものが教えられるものなのかと⾔
った素朴な疑問の中でその本来の美術教育の内容を⾒失い、⽇々の実践に困惑する教師も多々⾒られる。こうした問題
は、個々の現場に⽴ち向かう教師⼀⼈⼀⼈が学習指導要領を踏まえながらもさらにその背後にあるべき、⼰⾃⾝の美術教育理念の形成にかかわる問題と言ってよい。そこで本講座では美術教育の実践例や美術教育の様々な問題を通して、個々の学⽣が⾃分⾃⾝の美術教育理念を獲得していくこと、自ら見出していくことを目的とした。 
内容 講座内容としては学習指導要領、中原祐介の美術教育不可能論、美術教育の動向や実践例を取り上げ、そこにど
のような美術教育が展開しているのかの分析や。実際に題材開発を通して、実際の美術科教育の指導⽅法とそこに求められる理念との関係を学び、どのように、授業設計し、いかなる指導をして⾏くといかなる理念へと向かうことに成るかを考究し、実践と結びついたあるべき理念について学生個々の美術科教育理念の形成をはかります。 
テキスト 学習指導要領、中原祐介の論の主張資料、美術教育実践例、美術教育の諸問題資料などや題材開発資料等をテキストとする 
参考文献 「教育学」⻑⽥新著。「発達の最近接の領域」ビゴツキー著。「芸術による教育」ハーバートリード著。「美術教育と知的発達」アイスナー著。  
成績評価方法 出席要件を満たしていることが前提条件の上で以下の評価をする。

1、課題「美術教育の中⼼に置くべき理念はいかなるものであり。その具現となる美術教育はいかにあるべ
きか」についてA42から3ぺーじ(1ページ1200字)で論じ、レポートとして提出。
  評価の観点(1)論旨の無矛盾性、明快性。
       (2)考察内容にかかわる資料データの妥当性。
       (3)説得力、表現力。


2、題材開発のための指導計画案作成
   評価の観点
       (1)指導案書式の的確性
       (2)指導計画とその理念の関係性
       (3)題材研究の内容(視野の広がり、指導方法、指導要件や環境設定への気づき)
3,毎時の課題への向かい方などを総合的に参考とする。

以上1から3を総合して評価する。
 
授業スケジュール(展開計画)
内容
1オリエンテーション:
講座⽬標、内容、⽇程。本時の課題「理念」とは。⼀般的意味から美術教育の理念、意義を考
究していく講座である。本時は教育に与えられている現代的諸要請を見ていく。なお本講座の最終課題は各自の美術教育に関わる理念を問うものとなる。
2前回の現代的諸要請を受けて、日本の学校教育の理念と内容を示す学習指導要領について考察し、そこにどのような理念があるのかを考える。
3我が国の教育理念としての学習指導要領や現代的諸要請を踏まえたうえで、そもそも美術教育は可能なのか、不可能ではないかと主張する中原佑介の論を読み、美術教育の根本的あり方を考察する。
4中原佑介の美術教育不可能論を、様々な視点から検討し、その問いの語る意味内容を考察し、美術教育の在り方についての批判的視座から、以後の美術教育理念追究の手がかりとしていく。
5美術教育不可能論を踏まえて、実際の美術教育実践を考察していく。まず最初に、一つの指導のまとまりが見やすい、短大生において実践された造形学習の展開とその学習に参加した学生の変容を見て、指導と学びとの関係、その実際の学習活動や応答の在り方を批判的に考察し、美術教育の可能性について考察する。
6美術教育実践の検討として、ここでは中学校美術指導で実際に行われている様々な問題や混乱について理念という視点から検証し、考察し、何が問題なのかを見出していく。
7これまで美術教育の可能性と問題点を具体的な指導例から見てきたが、ここで中学生という発達段階はいかなるものなのかを見ておくことにする。与えるシドの内容はまた受け止める学習者の理解無くして成り立たない。いくつかの発達理論を踏まえて中学生という学習者について理解を深める。
8これまでの美術科教育における題材指導の可能性や問題点と学習者としての中学生踏まえ、さらに理念を実際の学びの視点から深めていくために領域別に実際の指導を検討していく。本時は、よりよい表現題材とはどのようなものかを実際の指導例を参考にして考察していく。
9本時は鑑賞指導としてのよりよい題材とはどのようなものかを「マイアーとギャラリー」の指導事例をもとにして考察していく。
10これまで考察してきた中等美術科教育における指導題材と理念を踏まえて、実際に望ましい指導内容を有する美術科教育題材を開発し、指導計画案を作成する。作成にあたり指導案書式の指導がある。また作成に当たっては次時の第11回と第12回を使い作成する。こうしてさらに指導の実際と理念について、考察を深める。
11前時の課題を続ける。美術科指導題材開発と指導計画案の作成をする。
12本時で指導計画案の作成完了とする。
13学習指導計画案作成に伴い、評価という大きな問題が残されている。本時は評価について考察し、各自が作成した指導計画の中心にある学びの狙いを達成するためにはいかなる評価をするべきかを考察していく。
14以上、実際の指導事例を対象に考察してきた理念について改めて、様々な教育理論を参照し、各自の美術教育理念についての考察を深めていく。
15本時は最終講座として、授業アンケート、最終課題レポートの提出についての説明、確認などをする。またこれまでに紹介できていない修学旅行や各種文化行事あるいは選択の授業や放課後の諸活動など、授業外の美術教育の様々な場についても紹介し、美術教育の可能性について考察し終了とする。
授業時間外における学習方法 参考図書として紹介する、ハーバートリード、ローエンフェルド、アイスナー、チゼック、⼭本正男、⻑⽥新、ビゴツキーなどの著書を出来るだけ読み、美術教育が⽬指すべきものを深く考究して⾏くことが⼤事。また美術教育に置けるキーワードとなる、⾃由画運動、創造美育運動、新しい絵の会、バウハウス、構成教育、概念壊し、造形遊び、対話式鑑賞法などの⾔葉については調べておきたい。 
授業のキーワード 美術教育の理念、美術とアートと芸術。教科の指導内容と指導⽅法と指導計画。評価と評定。美術と社会
美術と教育。美術の教育的意義。美術の社会的意義。教育と美術と芸術。造形的視点から⾒た発達とは。
美術による教育。美術の教育。
 
受講補足(履修制限等)  
学生へのメッセージ 美術教育では何をすればよいかという疑問を持つ学⽣が少なくない。それは、ある種当然な問いであり、これまで美術教育で論じられてきた、多くの問題の根幹にある問いかもしれない。美術というものが個々のありようをそのままに受け⼊れる全⽅位に向けられた営みであるとするなら、教育はそこにある種の理想なり典型なり、その時代の政治的意図であったりするある定型が求められる。そこにどうしても⽴ち位置のあいまいさを覚えるからであろう。しかし、それはある意味、教育と美術について、その本来の意味性の矛盾性に気付いているからである。その矛盾性こそ理念の種であると考えている。その矛盾性の先に何を見出していくかが大事である。現場で如何なる美術教育の意義を⾒出して⾏くかは、⼀⼈⼀⼈の教師に委ねられている。その答えを皆さん⼀⼈⼀⼈に⾒出してほしいと願っている。
 
実務経験のある教員による科目  
授業実施方法(対面形式/遠隔形式) ウエブによる遠隔形式 
その他  
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